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株式会社 せきやまたいち一級建築士事務所
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コラム

名鉄百貨店71年の歩み 開業から閉店までを振り返る

  • 公開日:2026-03-13

名鉄百貨店本店は、2026年2月28日で営業を終えました。

 

閉店の案内では、71年の長きにわたり、地域の暮らしのそばで時代とともに歩んできたと記されています。

名鉄百貨店の歴史をたどると、ひとつの百貨店の歩みというより、名駅前そのものの変化が重なって見えてきます。

晴れの日の装いを選ぶ時間、手土産や贈り物を探す時間、催事をのぞく週末、待ち合わせのひととき。

名鉄百貨店は、そうした何気ない日常の場面を長く受け止めてきました。

ここでは、開業から閉店までの流れ、節目になった出来事、今も残る名鉄百貨店らしさの3つに分けて整理します。

 

 

 

この記事のポイント

 

・名鉄百貨店は1954年に開業し、2026年2月28日に本店が閉店

・1972年のセブン館開業、1973年のナナちゃん誕生など、名駅前の風景をつくってきた存在

・閉店後も、名鉄百貨店事業部への継承やナナちゃんの継続など、形を変えて残るものがある

 

 

 

1. 名駅前と一緒に育ってきた百貨店

 

名鉄百貨店の出発点をたどると、名鉄名古屋駅の発展と切り離せません。

1941年に新名古屋駅が開業し、その後、1954年に名鉄ビル第1期工事が完成。これにあわせて名鉄百貨店が開業しました。

さらに1957年には名鉄ビル全館が完成し、地上10階地下3階、当時日本最大の延床面積を持つビルとなります。

 

その後の流れを大まかに見ると以下の通りです。

 

・1954年 名鉄百貨店が開業

・1957年 名鉄ビル全館完成

・1967年 名鉄バスターミナルビル全館完成

 

駅、バス、商業、ホテルが近接する名駅前らしい複合性は、この時期にかたちづくられていきました。

名鉄百貨店は、単独の商業施設というより、名古屋駅前の交通と人の流れの中心にある百貨店だったと言えます。

 

 

 

2. 71年の歴史で印象的な節目

 

(1) セブン館の開業とナナちゃんの誕生

 

1972年には、ヤングを対象としたセブン館がオープンしました。

その翌年、一周年を記念して誕生したのがナナちゃんです。

名前は一般公募で決まり、セブンをもじった親しみやすい呼び名として定着しました。

 

今では待ち合わせ場所としてあまりに自然な存在ですが、もともとは新しい館のシンボルとして始まったものです。

名鉄百貨店の歴史を語るとき、ナナちゃんを外すことはできません。

 

 

 

(2) 2000年代半ばの大規模リニューアル

 

2000年代半ばには、3館一体化改装が進み、店の見え方が大きく変わりました。

2006年にはセブン館がヤング館に改称され、入口まわりの改修も実施されます。

そして2007年3月には、名鉄百貨店3館がグランドオープンしました。

 

その後、2011年3月31日にはヤング館が閉館し、本店は本館とメンズ館を中心とした体制へ移っていきます。

この流れを見ると、名鉄百貨店は時代に合わせて姿を変えながら続いてきたことが分かります。

 

 

(3) 2026年2月28日の閉店と、その後

 

2026年2月28日、名鉄百貨店本店は営業を終了しました。

ただし、ここで全てが消えたわけではありません。

3月1日からは名鉄生活創研の名鉄百貨店事業部として再始動し、ロゴマーク、包装紙、紙袋など、親しまれてきた要素も引き継がれています。

 

また、ナナちゃんはこれからも今の場所で名古屋駅前のランドマークとして立ち続けると案内されています。

建物の役割が区切りを迎えても、名鉄百貨店の記憶や象徴までなくなるわけではありません。

 

 

 

 

3. 年表だけでは伝わらない名鉄百貨店らしさ

 

名鉄百貨店の記憶は、開業年や閉店年だけでは語りきれません。

人の記憶に残るのは、むしろ細かな風景や館内の特徴だったりします。

 

象徴的なものとして、以下のような例があります。

 

・1959年制定の社歌の作曲は古関裕而氏

・館内には国内でも珍しいエスカレーターが残る

・ナナちゃんは長年、名駅前の待ち合わせ場所として親しまれてきた

 

こうした要素は、売場改装や館の名称変更よりも強く、人の中に残っていることがあります。

名鉄百貨店が特別だったのは、商品を売る場所だったからだけではなく、名駅前の記憶そのものになっていたからだと思います。

 

 

 

4. 71年の歴史を振り返ると見えてくること

 

名鉄百貨店の71年は、戦後のターミナル百貨店が街の核だった時代から、駅前再編の時代までを映しています。

買い物の場であると同時に、駅前の人の流れを受け止める場でもありました。

 

見方のポイントとしては、以下のような点があります。

 

・駅直結の百貨店として、名駅前の暮らしを支えてきたこと

・若者向けの館やナナちゃんなどを通じて、街の文化にも関わってきたこと

・閉店後も、ブランドや象徴の一部は別のかたちで受け継がれていること

 

閉店は大きな節目ですが、それだけで歴史が終わるわけではありません。

名鉄百貨店が残したものは、建物の中だけでなく、名駅前の風景や人の記憶の中にも続いています。

 

 

 

まとめ:名駅の「顔」が刻んだ、71年の暮らしの軌跡

 

名鉄百貨店の71年を振り返ると、そこには百貨店の沿革だけでなく、名古屋駅前の変化と人の暮らしが重なっています。

特に印象的なのは、1954年の開業、セブン館とナナちゃんの登場、2000年代のリニューアル、そして2026年の閉店と継承です。

建物の役割はひと区切りつきましたが、名鉄百貨店が残した記憶や風景は、これからも名駅前の中に生き続けていきます。

 

 

 

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※本記事は2026年3月時点で公開されている情報をもとに作成しています。今後の事業継承や周辺計画の動きは変わる可能性があるため、最新情報は公式案内をご確認ください。