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株式会社 せきやまたいち一級建築士事務所
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名鉄百貨店はどうなる 閉店後と再開発計画見直しを分かりやすく解説

  • 公開日:2026-03-16

 

名鉄百貨店の計画が中止になった、という話を見かけることがあります。

 

ただ、公式発表をそのまま整理すると、話はもう少し分けて見たほうが分かりやすいです。

名鉄百貨店本店は2026年2月28日で営業を終了し、その一方で名古屋駅地区再開発計画と名鉄名古屋駅再整備計画は、現計画の再検証と見直しに入っています

百貨店の閉店と、再開発の進め方の見直しが一緒に語られやすいため、全体が分かりにくくなりがちです。

まずは何が終わり、何が見直しになったのかを整理すると、状況がつかみやすくなります。

 

 

 

この記事のポイント

 

・2025年12月に、名鉄が現計画の再検証および見直し着手を公表

・名鉄百貨店本店は2026年2月28日で営業終了

・見直しの背景には、入札辞退、人材確保難、工事費と工期の大幅な上振れ見込みがある

 

 

 

1. まず整理しておきたいこと

 

今回の話で一番大事なのは、百貨店の営業終了再開発計画の見直しは同じではない、という点です。

百貨店は予定通り閉店し、再開発と駅再整備のほうは現計画のまま進めるのが難しくなったため、見直しに入ったという流れです。

 

まず押さえたい事実は以下の通りです。

 

・名鉄百貨店本店 本館、メンズ館 は2026年2月28日で営業終了

・解体着工、新築着工、1期本工事竣工、2期本工事竣工の予定は未定に変更

・見直しの対象は、名古屋駅地区再開発計画 バスターミナル再整備含む と名鉄名古屋駅再整備計画

 

もともとの計画では、名古屋駅前の大規模な再開発と駅の再整備を一体で進める想定でした。

その前提が崩れたため、建て替えだけでなく、駅前全体の組み立てを見直す段階に入っています。

 

 

 

2. 見直しになった理由を3つだけ紹介

 

(1) 施工予定者の入札辞退

 

名鉄の発表では、解体と新築工事の施工予定者選定を進める中で、応募参加者から人材確保難により施工体制の構築が困難との理由で入札辞退届が提出されたとされています。

これにより、当初予定していた解体工事着手などが大幅に遅れる見通しとなりました。

 

(2) 工事費と工期の大幅な上振れ

 

名鉄は、概算工事費と工事期間が、技術協力者と精査してきた当初想定を大きく上回る見込みになったと説明しています。

社長会見では、参考として提出された見積もりについて、再開発事業費のうち工事費が倍額に近い水準だったことにも触れています。

ここまで条件が変わると、予定を少し直すだけでは対応しきれません。

 

(3) もともと難易度の高い大規模計画だった

 

元の計画は、敷地面積約32,700㎡、延床面積約520,000㎡、地上31階地下2階、最高高さ約172mという大きな事業でした。

用途も、商業、オフィス、ホテル、鉄道駅、バスターミナルと幅広く、しかも周囲を鉄道や地下街に囲まれた場所での工事になります。

長期間にわたる大規模工事で、もともと難しい案件だったことも見逃せません。

 

 

 

3. 誤解しやすい点について

 

計画中止という言葉だけが先に広がると、すべてなくなったように見えてしまいます。

ただ、現時点で公式に出ている内容は、スケジュール変更と現計画の見直しです。

 

誤解しやすい点は以下の通りです。

 

・百貨店が閉店したからといって、すぐに解体が始まるわけではない

・全面的に白紙と決まったわけではなく、再検証と見直しに入った段階

・周辺施設が同じ時期にすべて終わるわけではない

・閉店後も、地下通路の閉鎖区間を除けば各線への乗換動線は利用できる

 

また、名鉄は閉店後の商業区画について、一定期間の閉鎖を経て地下および低層階部分の商業営業準備を進めていると案内しています。

名駅前の機能が一気になくなるというより、使い方を切り替えながら次の形を探っていると見たほうが実態に近いです。

 

 

 

4. 今後の見方

 

今後の焦点は、どの規模なら事業として進められるのか、名鉄名古屋駅の再整備とバスターミナルの再整備をどう組み直すのか、という点にあります。

百貨店の建て替えだけの話ではなく、名古屋駅前全体の使い方に関わるテーマだからです。

 

見ておきたいポイントは以下の通りです。

 

・工事規模と工程をどう組み直すのか

・駅とバスターミナルの整備をどの順序で進めるのか

・地下や低層部の商業利用、歩行者動線、駅前の回遊性をどう保つのか

 

社長会見では、計画を白紙にするのではなく再検証と見直しに着手するものであり、2026年度中に何らかの方向性を示したい考えにも触れています。

名駅前の再編はまだ終わった話ではなく、ここから計画の立て直しが本格化していく段階です。

 

 

 

まとめ:名鉄百貨店の動向は、閉店・見直しを切り分けて捉える

 

今回の話は、名鉄百貨店が閉店したことと、再開発計画が現状のままでは進めにくくなったことが重なって見えにくくなっています。

整理すると、名鉄百貨店本店はすでに営業を終え、再開発と駅再整備は見直しに入ったというのが現在地です。

今後は、名古屋駅前の交通結節、歩行者動線、低層部の使い方まで含めて、どんな形で再構築されるのかが注目点になります。

 

 

 

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都心部の再開発や、交通と建築、まちづくりが重なる計画について整理したい場合は、お気軽にお問い合わせください。

 

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※本記事は2026年3月時点で公開されている情報をもとに作成しています。今後の方針やスケジュールは更新される可能性があるため、最新情報は名鉄の公式発表をご確認ください。