冬のお風呂を安全に楽しむために:ヒートショックを防ぐ「習慣」と「住まい」の工夫
- 公開日:2026-01-14
冬になると「入浴中の事故」や「ヒートショック」の話題を見聞きすることがあります。
消費者庁も、冬季(11月~4月)を中心に入浴中の事故が多いとして注意喚起を行っています。
お風呂の時間を気持ちよく過ごすために、
今日からできる“習慣”と、住まい側で考えたい“温度差対策”を整理します。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
体調に不安がある方や持病のある方は、医師等の専門家にもご相談ください。
1.冬に入浴中の事故が増えやすい理由
・ポイントは「暖かい部屋」と「寒い場所」の温度差
暖房の効いた部屋から、廊下・脱衣所・浴室などの寒い場所へ移動すると、寒さで血管が収縮し、血圧が上がりやすくなるとされています。
その後、熱い湯につかるなどして体が急に温まると、逆に血圧が下がりやすく、変動が大きくなることがあります。
このような急激な変化は、体に負担がかかる要因の一つです。
・「意識がぼんやり」→浴槽内での事故につながることも
入浴中に体調が急変すると、浴槽内で姿勢を保てなくなる可能性があります。
消費者庁は、入浴中の事故は持病がない場合や前兆がない場合でも起こり得るとして、
本人だけでなく周囲の見守りも含めた対策を呼びかけています。
2.まずは習慣でできる「入浴前~入浴中」のチェックリスト
消費者庁の注意喚起で示されているポイントを、日常で使いやすい形にまとめました。
(1)脱衣所や浴室を暖めてから入る ― 小型暖房・浴室暖房、暖気の循環など
(2)湯温は41℃以下、入浴は10分までを目安に ― 熱い湯・長湯は避ける意識を
(3)浴槽から急に立ち上がらない ― 手すり・壁に手を添え、ゆっくり動作する
(4)食後すぐ、飲酒後の入浴は控える ― 体調が万全でない日はシャワーに切り替える選択も
(5)睡眠薬や精神安定剤など服用後の入浴は注意 ― 薬の影響が心配な場合は医師・薬剤師に確認する
(6)入浴前に同居者へ一声かける ― 長湯になっていないか、時々声をかけてもらう
3.住まい側の工夫:温度差を「小さくする」発想
入浴時のポイントは、体の移動に伴う温度差をできるだけ小さくすることです。
ここでは、設備の有無にかかわらず考えられる工夫を挙げます。
・脱衣所や浴室を暖める(設備がなくても“予熱”の工夫)
浴室暖房などの設備がある場合は活用しつつ、設備がない場合でも、浴槽にお湯を張る際にシャワーを使って浴室全体を温めたり、蓋を開けて湯気で浴室を暖めたりする工夫が紹介されています。
可能な範囲で「浴室に入る前に暖かい状態をつくる」ことを意識してみてください。
・断熱や窓の見直しは「温度差をつくらない」土台になる
消費者庁の資料では、二重サッシにするなどの断熱化が有効な例として挙げられています。
すぐに大きな工事が難しい場合でも、建物計画や改修のタイミングでは、断熱・窓・暖房計画をセットで検討すると温度差対策につながります。
・動線や手すりなど「動作の安全」も合わせて考える
温度差だけでなく、浴室・脱衣所は滑りやすく、立ち座りも多い場所です。
手すりの設置、足元の滑り対策、照明の明るさなど、動作の安全も一緒に見直せると安心材料が増えます。
4.家族ができる「見守り」と、異変に気づいたとき
・入浴前の一声や入浴中の確認が、いざという時の助けになる
消費者庁は、入浴前に同居者へ一声掛けること、周囲が見回ることを推奨しています。
「何分くらい入る予定か」を共有しておくと、長湯に気づきやすくなります。
・少しでも不自然な様子があれば、ためらわず救急要請を
声がけに反応しない、浴室で動けないなどの異変がある場合は、無理に一人で対応しようとせず、救急要請(119)を含めて判断してください。
具体的な対応は、自治体や消防の案内も参考になります。
まとめ:冬のお風呂は「温度差対策」と「ゆっくり動作」で安全に
入浴は大切なリラックスタイムですが、冬は温度差が大きくなりやすい季節です。
まずは脱衣所や浴室を暖める、湯温と時間を意識する、急に立ち上がらないといった、基本の習慣から取り入れてみてください。
住まい側でも、温度差を減らす計画を重ねることで、毎年の冬をより快適にしやすくなります。
建物計画の段階で「温度差の少ない暮らし」を考えるなら
これから新規物件の計画を進める場合、構造の安全性やコストとあわせて、
冬の温度差が生まれにくい動線や設備計画も検討テーマになります。
弊社では構造設計を中心に、意匠設計も含めたご相談を承っています。
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