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コラム|
株式会社 せきやまたいち一級建築士事務所
名古屋市にある建築設計会社

コラム

浴室・脱衣所の「滑り・転倒」予防チェックリスト

  • 公開日:2026-02-13

お風呂は一日の疲れを取れる時間ですが、浴室や脱衣所は水気が多く、足元が不安定になりやすい場所でもあります。

濡れた床、せっけんやシャンプーの泡、置きっぱなしの物、暗い時間帯の移動などが重なると、思わぬ滑り・転倒につながることがあります。

 

消費者庁は、高齢者の転倒事故について「浴室・脱衣所」でも起こり得るとして注意喚起し、住み慣れた自宅でも転倒予防の工夫を挙げています。

また、国民生活センターは、家の中の転倒事故に関して、整理整頓や足元灯の設置などの工夫に加え、スリッパや靴下が滑る原因になることもあるとしています。

 

この記事では、温度差の話は扱わず、浴室・脱衣所の「滑り・転倒」予防に絞って、確認しやすいチェックリストにまとめます。

 

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。住まいの状況や家族構成、身体状況によって最適な対策は異なります。

 

 

 

この記事のポイント

 

・チェックは「浴室」と「脱衣所」で分けると、実行しやすくなります。

・まずは「泡を流す」「濡れたら拭く」「床に物を置かない」から始めます。

・マットやスリッパは「滑りにくさ」だけでなく「ズレ・めくれ」も確認します。

・夜間は照明や足元灯で、見落としを減らします。

・不安がある場合は、手すりや段差の見直しも選択肢になります。

 

 

 

1.転倒のきっかけを整理する:滑る・つまずく・ぐらつく

 

・転倒のきっかけは「滑る」「つまずく」「ぐらつく」に分けると、対策が選びやすくなります。

・浴室は「濡れ・泡・またぎ」、脱衣所は「床の物・履物・暗さ」が重なりやすい傾向があります。

・ご家族に高齢の方がいる場合は、同じ対策でも“早め・小さめ”に整えると安心材料が増えます。

 

浴室:濡れた床・泡・浴槽のまたぎ

浴室は床が濡れやすく、せっけんやシャンプーの泡が残ると滑りやすさが増すことがあります。

浴槽の出入りや立ち座りなど、動作が大きい場面ほど転びやすくなるため、「急がない」「足元を見る」「つかまれる場所を作る」が基本になります。

 

脱衣所:濡れた足・床の物・履物

脱衣所は、濡れた足で歩く、急いで着替える、床に物が増えるなど、条件が重なりやすい場所です。

国民生活センターは、整理整頓や足元灯の設置などを勧めるとともに、スリッパや靴下が滑る原因になることもあるとしています。

履物も含めて点検すると、対策が具体的になります。

 

「足元」「通り道」「支え」を順番に見る

消費者庁は、転倒事故の状況として「滑る」「つまずく」「ぐらつく」などを挙げています。

浴室・脱衣所では、この3つが同時に起きやすいため、

まずは「足元(濡れ・泡・マット)」「通り道(床の物・コード)」「支え(手すり等)」の順で点検すると整理しやすくなります。

 

 

 

2.浴室のチェックリスト:入る前・入浴中・出るとき

 

・入浴前に「足元が濡れても慌てない状態」を作ると、転倒リスクを減らしやすくなります。

・入浴中は「泡を残さない」「急がない」「浴槽の出入りを落ち着いて」が基本です。

・出るときは「足を拭いてから動く」「マットのズレ・めくれを確認する」を優先します。

 

入る前(準備)

入浴前の数十秒で「転びにくい状態」を作っておくと、急な動きが減りやすくなります。

 

  • ・脱衣所の床に水たまりがないか確認し、濡れていたら先に拭く
  • ・入口まわりに物がない状態にする(掃除道具や洗面器などの置きっぱなしを減らす)
  • ・使う物の置き場を決め、床に直置きしない(つまずき予防)
  • ・夜間は照明をつけてから移動する(足元の見落としを減らす)

 

 

入浴中(洗い場・浴槽)

 

浴室内は濡れや泡で滑りやすくなりやすい環境です。最後のひと手間が転倒予防につながります。

 

  • ・せっけん・シャンプーの泡は、最後にしっかり流す
  • ・ボトルや子どものおもちゃなどを床に散らかしたままにしない
  • ・立ち上がりや浴槽のまたぎは、急がずゆっくり動く(手すりや壁に手を添える)
  • ・浴槽のふたの上に乗らない(踏み台や遊び場にしない)

 

出る前〜出た後(足元とマット)

浴室から出る瞬間は、濡れた足+移動で滑りやすくなりがちです。「足元の準備」を先に整えます。

  • ・浴室から出る前に、足を拭いてから移動する
  • ・足ふきマットはズレ・めくれがないか確認する
  • ・濡れたタオルや衣類を床に落としたままにしない
  • ・床のぬめりが気になる場合は、洗い流しと掃除をこまめに行う

 

 

 

3.脱衣所のチェックリスト:床を空ける・履物・照明

 

・脱衣所は「床を空ける」だけでも、つまずきや滑りを減らしやすくなります。

・スリッパや靴下が滑る原因になることもあるため、履物も点検対象にします。

・夜間は照明や足元灯で、段差や床の物を見落としにくくします。

 

床を空ける(置きっぱなしを減らす)

 

国民生活センターは、ちょっとした物につまずくことも多いため、整理整頓して床に物を置かないことの大切さを示しています。

 

  • ・床に物を置かない(洗濯物・体重計・踏み台・子どもの物などの“置きっぱなし”を減らす)
  • ・床が濡れていたら、その都度拭く(小さな水たまりも放置しない)
  • ・バスマットはズレない位置に置き、端がめくれていないか確認する
  • ・電源コードが通り道にこないように、家電の位置や配線を見直す

 

履物・着替えの動作を見直す

 

脱衣所は着替えなどで体の向きが変わりやすく、片足立ちになる場面もあります。「滑る」「ぐらつく」条件が重ならないようにします。

 

  • ・スリッパが脱げやすい・滑りやすいと感じる場合は、素材やサイズ、履く場面を見直す
  • ・靴下で滑りやすい場合は、滑りにくいものに替えるなど工夫する
  • ・片足立ちの着替えが不安な場合は、腰かけられる椅子などを用意する
  • ・タオルや着替えは、無理な姿勢にならない高さ・位置に置く

 

夜間は「見える化」で転倒を減らす

 

国民生活センターは、足元灯の設置などを例に、転倒を防ぐ工夫を挙げています。

夜中や早朝に脱衣所を使うことがある場合は、照明をつけてから動く、足元灯やセンサーライトを検討するなど、「見落としにくい環境」をつくると安心です。

 

 

 

4.住まい側の工夫:マット/手すり/段差/照明を必要に応じて

 

・道具を足す前に「ズレ・めくれ・置きっぱなし」を減らすと、効果が出やすくなります。

・滑り止めマットでも、濡れた状態や石けん等で滑りやすくなる例があるため、表示確認と点検が大切です。

・新築・改修では、手すりや段差、動線、収納、照明をまとめて整えると続けやすくなります。

 

滑り止めマットは“過信しない”

 

消費者庁は、浴室や脱衣所に滑り止めマットを敷くことを挙げています。

 

一方で国民生活センターは、石けん水などで濡れた状態で滑りやすいと申し出があった浴室マットのテスト結果を公表しています。

滑り止めマットは「敷けば安心」ではなく、次の点をセットで確認すると安全性が高まりやすくなります。

 

  • ・使用場所(浴室の床/浴槽内など)と使い方の注意表示を確認する
  • ・ズレ・めくれが出ないか、設置後に足元で確かめる
  • ・せっけんやシャンプーが付いたままにならないよう、洗い流しや清掃をこまめに行う

 

手すり・段差・床材の見直し(無理のない範囲で)

 

消費者庁は、段差のあるところに手すりや滑り止めを設置することなどを挙げています。

また、厚生労働省の資料では、介護保険における住宅改修の種類として、手すりの取付け、段差の解消、滑りの防止のための床や通路面の材料の変更などが整理されています(制度の利用には要件があります)。

 

「何度もヒヤリがある」「家族が不安を感じている」場合は、浴室の出入り、浴槽のまたぎ、脱衣所での立ち座りなど、

具体的な動作に合わせて手すり位置や動線を見直すと、対策が続きやすくなります。

 

相談の目安:習慣だけで改善しにくいとき

 

片付けやマットの見直しをしても不安が残る場合は、「どの動作で危ないのか」を整理して、住まい側で負担を減らす方法を検討するのも一つの手段です。

手すりの位置、床の段差、収納の配置、照明計画などをまとめて見直すと、日々の動きが整いやすくなります。

 

 

 

まとめ:浴室・脱衣所は「足元」と「通り道」を整えると続けやすい

 

浴室・脱衣所の滑り・転倒対策は、難しいことから始めなくても大丈夫です。

 

まずは「泡を残さない」「濡れたら拭く」「床に物を置かない」「夜間は明かりをつける」といった、習慣でできるチェックから整えると、変化を実感しやすくなります。

 

そのうえで、マットのズレ・めくれの点検、手すりや段差の見直しなど、住まい側の工夫を必要に応じて足していくと、安心材料が増えます。

 

万が一転倒して強い痛みがある、頭を打った、動けないなどの場合は、無理をせず周囲に助けを求め、状況に応じて医療機関への相談や救急要請も含めて判断してください。

 

 

 

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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。住まいの状況や家族構成、身体状況によって最適な対策は異なります。